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願うこと(夏目友人帳)

2011年07月09日 12:48

 瞬き、ひとつ。

 人の一生をその妖はそう例えた。

 その瞬き一つにどれ程の想いと記憶が入っているのか、彼は知っているのだろうか?

 春、夏、秋、冬。

 何回同じ季節を過ごしたのだろう。僕は年をとっていく。

 彼は相も変わらず同じ姿だ。

 初めて会った時から少しずつ、少しずつ。僕が彼を置いていく日が近づいてくる。

 それでも彼は言うんだ。

「お前が死ぬその日まで傍らにいよう」


 笑うんだ。そうやっていつものと同じように。

 だから僕は願うことにしたんだ。

 僕がいなくなっても、彼はいつものように耳を風にそよがせて昼寝しているような、そんな明日を。

一人と一匹(夏目友人帳)

2011年07月09日 12:46

「夏目」

 名を呼ばれ、肩に慣れた重み。

「次はどこなんだ?」

 少しだけ視線を向けると、白い猫のような妖。

「さぁ? よく分からない。ただ雪がよく降るところらしいよ」

「雪か。なら酒が美味いところだな」

「にゃんこ先生はいつもそれだ」

「むっ、何を言うか。酒は良いものだぞ」

 そう言って俺が笑うと、妖は眉をひそめた。

「俺は未成年だから飲めないよ」

「なら成人とやらまで待っといてやるから、さっさとなれ」

「無茶言うな」

 いつものように妖と軽口を叩きながら、新しい家に向かって歩き出した。



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